肩が痛むときの原因は主に3つあります。血行の悪化や一時的な筋肉、神経の損傷である「筋」が原因の場合、無理な負荷や過度な労使により骨が損傷を起こす「骨」による場合、そして筋肉でも骨でもなく何かしらの機能不全が原因の場合です。
それぞれ完全に区別できるわけではありませんが、主にこの3つの原因のどれに当てはまるか考えることで肩の痛みの原因を突き止めることができます。
◇急に肩が痛んだら病院で診断
肩が痛む原因はさまざまです。
突発性の方の痛みに関しては、肩の筋肉又は神経が圧迫されて血行不良、一時的な機能不全を起こしている場合や、筋肉量の少ない状態で肩を酷使したために骨が損傷を受けている可能性などが考えられます。
前者の場合には、単に肩を下にして寝てしまった、同じ姿勢を長くキープして神経を圧迫してしまったという、一時的な肩の筋肉又は神経の損傷の可能性が高いです。
一方後者の場合には、筋肉バランスが良くない状態で肩を酷使してしまったため、肩の骨又は関節に過度の負荷が常にかかっている状態だったことが考えられます。
こちらの場合には、中長期的に肩の骨に負荷がかかっていて、徐々に損傷が大きくなってしまったということも考えられるため、早急に医師による診断を受けることが必要です。
骨に異常がある場合には、整体院や鍼灸院にあるようなレントゲンでも損傷部位を発見することができますが、筋肉や神経に異常がある場合には骨を映すことしかできないレントゲンでは診断ができません。
もしレントゲンで何も異常が見つからないという場合には、骨以外の部分に異常がある可能性があるため医師のいる正式な医療機関(接骨院や整形外科)に行って、CTやMRIを用いて精密に検査をしてもらうことがおすすめです。
◇五十肩でも病院の検査を受ける必要がある?
肩が少し痛む、上がり難くなったというくらいで、CTやMRIを使った検査を受けるのは大袈裟だと感じられる方もいるかもしれません。
たしかに肩の痛みは人それぞれですので、単なる血行不良や筋肉の損傷による一時的な痛みの場合には、湿布や安静という安置療法を取っておけば自然と痛みが治まって、完治しているという場合はあるでしょう。
しかし骨に損傷が生じていたり、よく耳にする五十肩になっていたりする場合には、放置していてもなかなか痛みは治まりません。
五十肩というのは、肩の骨の接合部分である関節包が長年の無理な使用によって劣化している場合に起こるもので、何も治療せずに放っておくと痛みが続くだけでなく、肩が上がらなくなり、長いものだと2年近くも肩が固まった状態になってしまうのです。
2年も経つと長い間使われずに衰えてしまった肩の筋肉が思うように動かず、五十肩自体は治っているにも関わらず肩を動かす力がないために固まったままのように感じてしまう場合もあります。
肩の痛みが起きてからしばらく経つけれども、痛みが治まらないという場合には一度病院で診断してもらうことをおすすめします。